手汗を止める方法と対処法【手汗は生まれつきの体質のことも】
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手汗がひどいと、様々な場面で悩みを抱えてしまいます。
書類を手書きで書いている場合、ペンを長時間持ち続けた状態で文字を書いていたらだんだん汗ばんできてペンが滑る、汗が書類についてしまった。
重要書類を持っていく場面で、持っていた部分の紙は必ず湿って跡になってしまう。
電話機を触った後、他の人が触った時にべたべたしておどろかれたりする。
人と手が触れるのに抵抗がある。
スマートフォンやタッチパネルなどの画面操作が思うように反応しない。
などなど、日常生活に支障をきたすほど困っているかたも多いかもしれません。
筆者も実はその一人です。
以前に勤めていた職場では常に携帯用の除菌ウェットティッシュを持ち歩いていたほど気をつかって席を外せるときは手を洗うなどしていました。
中には手汗がきになってしまい、性格まで消極的になってしまう人もいます。
今回は、手汗を止める方法や少しでも抑える方法がないのか?というお話です。
どうぞ、最後までおつきあいください。
手汗の原因とは
はじめに、手汗についてお話しますね。
正式名称は手(しゅ)掌(しょう)多汗症(たかんしょう)といいます。
手掌多汗症で悩んでいる人は、人口の約2%程度いるといわれています。
汗のイメージというと、くさいにおいがするという印象がとても強く大きいのではないでしょうか。
汗を出す腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類があります。
エクリン汗腺は手・足にあり、そこから出る汗の成分は99%が水、残りの1%は塩です。
アポクリン汗腺は脇から出る汗でこちらの汗には脂なども含まれているためにおいが出やすいのです。
手汗はエクリン汗腺にあたるので基本、汚くはないのでそれほど気にするほどではないのです。
交感神経の反応が過敏になっているのが手汗の原因
ある書籍によると、汗は体温を下げるために出るもの、心理的ストレスが原因で出るものの2種類に分類されます。
“手に汗握る”ということわざがあるように、ハラハラドキドキの状態でいるため心理的ストレスがかかっている状態の時にあてはまる言葉です。
さらに手汗が出たらどうしようと焦るとなお一層出てしまう性質があります。
じゃあ、思わないようにしたら?と悩みのない方からすればそう思われることでしょう。
気にしだしたらどんどん深みにはまっていきそうな方も中にはいるでしょう。
しかし、精神的なものではあれ悩んでいる方からすればそう簡単な問題でもないのです。
緊張しても手汗がでない人はたくさんいます。
汗が多くでてしまうということは、汗を管理している交感神経が人より敏感で過剰に異常な働きをしているからです。
体の状態や年中問わず、交感神経の反応が強く過敏になっています。
なぜ交感神経の反応が強くなるのかは、精神的ストレスのもの、遺伝性のもの、ホルモンバランスの乱れなど様々、人それぞれであります。
いくら精神安定剤を飲んでも、根本的な解決にはなりません。
治療に保険適用もされる身体異常でもあり、手掌多汗症というれっきとした病気です。
手汗を抑える対処法
手汗は治療可能?
まず、症状にはグレード1~3に分類されます。
- グレード1:手のひらが濡れるぐらいに発汗するが拳を握っても汗が滴下しない
- グレード2:拳を握ると汗が滴下する状態
- グレード3:手のひらを開いていても汗が垂れるほどの状態
グレード3の診療科目としては、皮膚科または心療内科といった医療機関への受診が必要です。
これらの科目を受ける理由としては次の通り。
皮膚科:汗は元々皮膚から分泌されるから皮膚科ですね。
心療内科:先ほどふれた通り、手掌多汗症の要因の中に精神的ストレスを感じて発汗の元となる交感神経が刺激されるため、メンタルケアでの治療が必要です。
そうはいえども手掌多汗症の患者全てがレベル3に当てはまるわけではありません。
レベル1や2程度では手のひらが湿っている、水滴が付着する状態の人も存在します。
病院では、色々な治療法があるそうです。
まず手汗のグレードを見極めて、程度が軽ければ塩化アルミニウムを試してもらいます。
改善しなければ、手をやけどさせて、汗の分泌腺を狭めるイオン導入法を行うのです。
ただ残念な点もあり、実は2〜3日しかもたないというのです。
大事な日の前に受診される方が多く、この治療法をとられます。
イオントフォレーシス治療法
手術とまではいかないまでもまた違った治療法もあります。
イオントフォレーシス治療法というものがあり、水道水の入った容器の中に浸し、10~20mAの直流電流に手を30分ほど沈めて流す治療法です。
通電することにより生じる水素イオンが汗の出口を障害して汗を出にくくすると考えられています。
このイオントフォレーシス、1回30分の通電を8~12回行うと汗の量が減ってきます。
治療効果を維持するためにはその後も1週間に1~2回行うことで効果があるそうで、何日か通院したら汗が出にくくなるそうです。
ただ、この療法もその効果が持続しないので、そのたびに病院に行く必要があるという短所はあります。
そして何よりもこうした治療も心理的、精神的な要因で汗が出ている場合には効果が出づらい点も挙げられます。
手汗とは別になりますが、腋窩の多汗症には治療方法が難しく効果的ではないことも挙げられます。
また、症状を一時的に抑えるものとして、3~4時間、効果が持続する薬があります。
交感神経の反応が強く過敏になっているので、薬でその交感神経の末端から放出されるアセチルコリンという神経伝達物質の放出を妨げ、汗の量を減らす方法です。
ただその効果には個人差があり、喉の渇きや目のかすみなどの副作用がでることもあります。
またレベル1や2程度の場合や、疾患でなくとも手汗程度に悩む人も少なくなく、この場合医療機関でなく市販の薬で症状を緩和しようと考えますよね。
そもそも病院に行かずにおさめる方法はないものか、と思って調べてみました。
・紅茶に手をひたす
紅茶の中の成分であるタンニンが汗の出る汗腺を引き締める効果があるとか。
風呂桶にお湯を入れ、ティーバッグを入れてしばらく煮出し、それを放置して冷めたら手を入れる。
30分ほどそのまま我慢してひたしておく。
これを1週間続ける。
というもので結果、手汗は減らず変化はありませんでした。
・ミョウバン水
ミョウバン水は「汗のにおい」に効果があるのです。
においの原因は、汗と雑菌がまざることにあります。
雑菌を抑えるミョウバンは消臭の役割だけで“手汗を止める”には効果がないのです。
・塩化アルミニウム液
病院、インターネットでも購入可能な塩化アルミニウム液ですが、グレード1の人に効果があると言われています。
しかし、効果が約半分の5割の人に効果がない上に、個人差が出てしまうことが難点です。
また、使い続けても治るわけでもなく、化粧感覚と同じで水で流すと落ちてしまいます。
塩化アルミニウムが配合された塗り薬もあります。
寝る前、手のひらに塗り、起きたら丁寧に洗い流す、というのが基本的な使い方です。
寝ている間、汗の穴にアルミニウムが詰まり、汗を分泌する汗腺に障害を与える方法です。
ただし、敏感肌の人にはおすすめできません。
副作用もあり、人によってはかゆみやかぶれなどを引き起こし、皮膚を悪化させる可能性があるからです。
病院に行ってもそうでなくても結果としては、残念ながら気休め程度にしかないということです。
手汗は生まれつき?体調による一時的なもの?
手汗は精神的プレッシャーなものだから、気のもちようと言われますが、そんなことはありません。
手掌多汗症人口の約2%程度いるといわれているだけに、生まれつきだとか遺伝も関係しているのではないかという考えもあります。
遺伝子研究のデータによれば手汗は遺伝しないという見解が現在では優位になっています。
手汗で悩んでいる方の親御さんも同じ症状や悩みを持たれていることもある点より遺伝なのではないかと思う方もいます。
手汗自体は遺伝しないとしても、親子で似る点がいくつかあるでしょう。
それらが複雑に色々な要因で絡み重なった結果、親子ともに手汗の症状が発症すると考えられます。
ですので、親や兄弟で顔が似るように、手汗の体質も似ることになるのです。
そして、先ほどお話した通り、手汗は精神的なプレッシャーが関わっています。
例えば緊張しやすい、性格がシャイで、ストレスを溜めやすい性格などが親子で似ている場合、子どもにも手汗の症状が発症する可能性はないとは言い切れません。
一度手汗が出はじめるとそれを恥ずかしいと自然と思うようになり、さらに緊張感が増え手汗も増えるという悪循環に陥ってしまうからです。
ストレスを溜めやすい性格の方なら日常的にも精神的に不安定でもある状態であると同時にホルモンバランスも崩れやすいです。
たとえ手汗自体は遺伝せずとも、性格や生活環境などが似ることで親子ともに手汗の症状が出るのです。
手汗の止め方まとめ
小手先の対策でどうにかなる話かと思いましたがそうではないのです。
その場しのぎでもいい場合にはご紹介した治療法をつかう方法を試してみてください。
いまは薬で治せる完璧な治療方法はないのです。
グレードが低い人は、できるだけ気にしないようにすることをおすすめします。
完全に止めて解消するには手術になります。
異常な働きをしている交換神経を止めるしか手段はありません。
手術って大事すぎるのではと思われがちですが、手術に関連する多種多様の不安も病院で相談も可能です。
どうしても気になる方は、まずは自分がどの状態か知るために、医師に診てもらい相談するだけでも、精神的プレッシャーや不安が緩和され安心できるかもしれませんよ。
最後までご覧いただきありがとうございました。